【印鑑・デザイン物語】(その4)
日本のはんこ社会の確立は、
1873年(明治6年)に太政官布告で正式に決まりました!
戦国時代を経て、徳川幕府、江戸時代に泰平の世が訪れると、行政が
細やかに整備され、商業が発達するにつれて、印鑑は庶民にまで普及
していきました。
証文に用いられる印鑑は当時から実印と呼ばれ、名主が農民たちの
印章を預かり、これを代官に届け、これによって印鑑帳がつくられました。
このような流れで現代日本の「はんこ社会」の確立は、江戸時代からの
慣行をもとにした出来上がりました。
1873年(明治6年)に太政官布告で「証書には本人の自署と実印が必要で
ある」という「署名捺印」が法的に定められ、実印のない証書は法律上、
証拠にならず事実上実印を所持しなければならなくなりました。
その後、100年以上が経った現代においても、印鑑は我々日本人にとって
ある意味、命の次に大事な物になっており、ITが進化し続ける現代社会に
おいてもあらゆるシーンで印鑑が必要不可欠なものなのです。
お江戸の昔から日本では、人生の節目には必ず印鑑があるのです。
1.契印、2.割印、3.訂正印、4.捨印、5.銀行印、6.認印、7.実印、8.会社印
9.代表印、10.役職印、11.ゴム印、12.職印・・・などなど、印鑑といっても
用途や用法によって色んな意味を持っています。
同じ印鑑を押す場合でも、押す文書、押す場所よって、印鑑の意味は
異なります。
印鑑には、「押すことであなたの代わりをしますよ」という「肩代わり」や
「身代わり」の意味合いがあります。
そして、本人に代わって働くもの故にある種の力が生じると考えられています。
その力とは、「責任」を伴う力で、すなわち、印鑑を一度押すと、その印影は
押した人の変わりに「責任」という役目を背負って永遠に存在し続けることに
なるのです。
実印でも、銀行印でも、認印でも種類に限らず、印鑑は、「責任をとらなくては
いけない」ものです。
それ故に、印鑑は様々なトラブルや問題を引き起こす原因になり得るので、
慎重に、かつ丁寧に扱わなければなりません。